大学の進学率は右肩上がりです。
2018年度、最新の情報では、実に57.1%の人が進学しています。
私自身は生徒さんとの話の中で、「寿司職人になりたい!」「プロ野球選手になりたい!」「漫画家になりたい!」という生徒さんにはそちらを目指すべきだと指導しています。
しかしながら一方で、「とくにやりたいことがない」という生徒さんには大学に行くことをお勧めしています。
理由には、ポジティブな理由とネガティブな理由があります。
ポジティブな理由は
- 大学を目指して学ぶこと自体に意味がある
- 大学時代にやりたいことをみつけることができる
などたくさんのことがあげられますが、今回はネガティブな理由について掘り下げたいと思います。
グラフのように大学進学率は右肩上がりです。
そして、今後大学の無償化により低所得層を中心とした層の進学も増えることは確実です。
識者によれば、8割をこえるだろうという予想もあるくらいです。
日本がお手本?とするアメリカの大学進学率が75%です。
また、OECD平均が62%であることから考えても少なく見積もっても70%は確実に超えるでしょう。
ネガティブな理由とはその時におこるマインドの変化です。
繰り返しますが、「自分が選択して」大学に進学しない道を選ぶのは問題ありません。
では、なんとなく「大学に進学しない」という選択をした場合どうなるのか?ということです。
ここで、アメリカで行われた実験のいくつかを紹介します。
(1)あなたの年収は5万ドル、あなた以外の人たちの年収は2万5000ドル
(2)あなたの年収は10万ドル、あなた以外の人たちの年収は25万ドル
この2つの環境があるとしたならば、あなたはどちらを選びますか?(1)あなたは高卒で、ほかの人は中卒
(2)あなたは大卒で、ほかの人は大学院卒
どちらを選びますか?
経済学者であるサラ・ソルニック(米バーモント大学経済学部アソシエイトプロフェッサー)と、デービッド・ヘメンウェイ(米ハーバード大学公衆衛生大学院教授)による研究
少し考えてみてください。
↓
↓
解答者で多かったのは、
なんといずれの場合も(1)でした!!!
この研究結果からわかるのは、人は相対的価値に価値を感じる!ということです。
ふと考えてみると、「なんかしらないけど高校は出ておかないと、、」という空気感、、、これこそがなんとなくの相対的価値だといえるでしょう。
数年後、「なんかわからないけど大学は行っておくべきだよね」という空気感になっていることは間違いないでしょう。
勿論空気感ですので、相対的に振り回されない 自分自身への価値=自分の選択への自信 があれば問題ありません。
いや、むしろそれを醸成していくことこそが教育なのであると思っています。
しかし、「大学くらい入っておかないと、、、」という時代が来るであろうことは知識として持っておくべきだと思うのです。
PS ちなみに大学進学率1位は オーストラリアの96%!!!!です。
最後にもう一つ、今後起こるであろう変化の予想です。
それは、「リカレント教育」です。
リカレント教育とは社会に出てからの学びなおしですね。
最近で言えば、欽ちゃんこと萩本欽一さんが大学で勉強していたのは有名ですね。
オーストラリアの大学入学平均年齢は26歳
ノルウェーは30歳、アメリカは27歳です。社会人が勉強するというのが定着しているのですね。
日本も必ずそうなるし、そうならないと国際競争にますます勝てなくなります。
その時に必要なのは、「学び」を楽しむ力だと思います。
「学び」を楽しめるような指導をしていけたらと考えていますので今後ともよろしくお願いいたします。